内容は、拳銃使いの少年、コミックが、無法者のジゴマ一味と戦うという西部劇
ストーリーに起伏があり、絵も丁寧かつ読みやすく、中島利行先生の実力の程が窺える
中島先生の作品(特に少女漫画雑誌のもの)はもっと評価されて、どんどん復刻されるべきだと思う
今読んでも、本当に「キュート」です!!
辰巳ヨシヒロ先生「浮かれ狸」(「龍虎②」(セントラル文庫/150円)収録)
岡っ引き(同心?)が、狸の瀬戸物が勝手に移動する事件から窃盗事件を解決する推理もの
謎解きは他愛のないものだが、狸の瀬戸物がやけに不気味なのが印象的(首に巻いてる縄がオシャレ)
見方によっては、キモ可愛いかも
つゆき・サブロー「ミイラ島」でのミイラ図書館のシーン
「流行の怪奇マンガ」を尋ねると、「兎月の水木しげる、橋本将治、つゆきサブロー」と答える所が印象的
水木先生と並んで、橋本将治先生を挙げているのが面白い
杉本五郎(つゆき・サブロー)氏は橋本将治先生の作品もお気に入りだったのかな?
特に気になったのが、「録異記」(五代の蜀/杜光庭)中の「異肉」
福に恵まれた人の額にある珠を取ったら、白痴になり、ツキも落ちちゃった…という内容
これって、いばら美喜先生の珍作「大天才」(「劇画マガジン」1967年10月号掲載)の元ネタなのでは?
「大天才」、ちゃんと復刻されないものか…
あと、この「わらピー」の広告も凄い!!
「わらピー♡活躍の舞台はほかにもイッパイ
アナタの素敵な最後の切り札!!」
眩暈がする…
小原幸子「星が流れる」
朋夫は、再婚する義姉への想いを込め、恵光童子を彫り上げる。仏像は義姉の実家に届けられるが…という内容
この仏像の発する濃いオーラが、ベタな悲恋話を妙チクリンな方向に横滑りさせていく
仏像が海に捨てられるラスト…感動的ははずなのに、すみません…笑っちゃいました
@msugaya @manga_gorilla どさくさにまぎれて与太話(ネタばれあり)
穿頭術を(多分)最も初期に扱った、太田康介先生「四角い穴」
アンデスの古代人は頭蓋骨に四角い穴を開けて、死者を生き返らせていたそ~な
一見、凄い技術のようだが、後頭部を幼児に叩かれただけで、即死しているので、結局、何の意味もないような気が…
魚に呪われる怪奇漫画としては、ちゃおホラーの、のせじゅんこ先生「魚の涙」もある
宙に浮かぶ「魚の目」の描写や、捻ったラスト等、読み応えはあるが、川魚を粗末にしただけでこんな目にあうというのもなあ
過去、臭いのキツい川魚料理を食べたことがあり、ヒロインの「生ぐさい」には共感を覚える
犬木加奈子「教室は何を教えてくれる?」(井上雅彦編「異形コレクション 教室」)
学校という閉鎖的な空間を、子供という純真かつ歪なレンズを通す事によって、人間の実相がおぼろげに浮かび上がる(うまく表現できず、もどかしい)
15頁しかなく物足りないが、恐ろしく鋭敏な感受性は心に突き刺さる
ついでに、「モルモットの解剖」が出てくる作品に望月みさお先生「のろわれた女医」(1964年頃?/東京漫画出版社)がある
https://t.co/blbJzfFEhh
サディスティックなのか牧歌的なのか、よくわからない…
「モルモットの解剖」に関しては、医学博士だった手塚治虫先生の作品で扱われているかもしれない
池川伸和(aka 池川伸治)「ある日ひとりの女の子が死んだ」
ある少女が公園でアコという迷子の少女と出会う。少女はアコを家に連れていくが、アコは少女の善意につけ込み好き放題し始め…という内容
「悪魔のような子供」を描いた先駆的な作品かも
池川先生の「毒」は実に生々しく、現代にも通じます
西たけろう先生の西本武三郎名義の「五人目の仇」(「鉄扇」(めばえ書房/150円)収録)
作者には珍しい時代物で、謎の連続殺人、被害者の過去、捨てた子供との再会と、ミステリーとしてうまくまとまっている
絵柄はあの「ドス黒さ」が全くないが、常連キャラ「左一角」が既に存在するのが興味深い