「突風」(「怪談・84」収録)を読んで、池川伸治先生のキチガイ描写は、なかなかリアルだと思った
本人は至って真剣かつ冷静に自己分析しているつもりでいるものの、傍から見たら、全くそうでないところがヤバい
登場人物の「自己没入度」の高さが、池川作品の特徴ではなかろうか?(個人の意見です)
古今東西、色々な「魔女」がいるが、鹿野はるお先生の描く魔女は独特な味わい
「死を予告する魔女」(「怪談別冊⑭」)の題名通りの内容だが、そんな事を考えなしに人に教えて、命の危機にさらされるオマヌケさん
あと、だしぬけに三白眼になったり、より目になったりするのは、やっぱり魔女だから?
望月みさお「わが子を返して」(150円/東京漫画出版社)
「母と誘拐魔」のサブタイトルだが、表紙のサングラスの男は全く出てこない
ある女性が、死んだ娘に似た女児を家に連れ帰り、だまして家に置くが、世間では誘拐事件として騒ぎとなる物語
嘘に嘘を塗り重ねて、あたふたする様がどことなく滑稽
佐藤まさあき「山にこんにちは」(佐藤プロ/1966年頃)
男教師が、男女交際を恥とする農村の因習を打破すべく、男女合体の登山計画を企てる内容
青春ものだが、男女交際に対する、佐藤先生の執拗なまでの考えに貫かれており、なかなかディープ
貸本で「セックス」という単語が使われるのを初めて見た
東海林さだお先生の「アサッテ君」は新聞四コマ漫画の名作中の名作
毎日新聞での連載は1974年からだが、それ以前の雑誌ver(「漫画エース」1967年5/5号)で、アサッテ君はトルコ風呂に行っている
あのアサッテ君が「トルコッ」と発言するコマはかなりの衝撃
キャラに歴史あり…という事なんでしょうね
漫画の擬音語は、「アストロ球団」を初め、挑戦的なものが多々あるが、「ヴボバガッ―ン」もいい線を行っているのではないだろうか?
機会があれば使ってみたいと思う。
(画像は、西武三郎先生「鬼女が地球に」より))
いばら美喜先生の大傑作「焦熱地獄」は、菊地秀行氏・編「貸本怪奇まんが傑作選 妖の巻」(立風書房/1991年7月10日)に復刻されている
だが、元本に落丁があるため、完全版ではない
運よく、元本の「オール怪談・15」を入手したので、欠落ページをご紹介
復刻本をお持ちの方はどうぞご確認ください
その筋では有名な「漫画Q」(画像は1969年9月3月号)
表紙からして脳ミソが腐りそうだが、ひたすらエロ尽くしで、SFも怪獣物も時代物も片端からエロへと収斂させていくパワーが尋常ではない
まあ、野郎の端くれとして言わせてもらうと、男というもんは目先のエロには抗えない、無様な生き物なのです
再評価の機運が高まっている故・谷悠紀子先生
先生の作品に「悪夢」(「すみれ・23」収録)がある
先生にしては珍しいスリラーでは?
両親を亡くしたヒロインは、財産目当ての伯母に引き取られていたが、衝動的に伯母を射殺してしまう…という内容
猛烈にドロドロした内容で、作者の懐の深さを感じる