『ころころコロッケ』矢代まさこ
(若木書房 発行年不明)
指輪の入ったコロッケを飲み込んだ犬を追いかけて様々な人々が繰り広げるドタバタ劇は終盤に向けて更に加速度を増していき、最後まで飽きさせない。
最初に読んだ時はこの画面構成に驚かされた。昔の少女まんがはこんなにすごかったのか!と
『怪談 骸骨女』
(東京漫画出版社 発行年不明)
時化で遭難した漁師が岩穴で見つけた女の人骨。
不憫に思い供養してやろうと家に連れ帰った所、骸骨はいきなり喋り出し。。
骸骨と人間のトゥルーラブストーリー。珍妙なタイトルに注目されがちだが、きちんとした実力の裏付けがあればこその快作だ。
愛と死のわかれ道は北朝鮮への帰国事業で日本に残った青年と少女のラブストーリー
結末はあっさりだが、今になって思えばこの題名も意味深である
『星にきけばいい』市川ジュン
(別冊マーガレット 1974.10)
「ライラック〜」とほぼ同時期に発表された本作はその内容も共通する所が多い。
当時行われていた治療法や諸学説を織り込むなどより専門的な色合いが強くなっており、市川先生が執筆にあたってかなり下調べを行った上で臨んだ事が窺える。
『ライラックの花のころ』
太刀掛秀子(月刊りぼん 1974.7)
統合失調症の母を持つ主人公と恋人との悲恋を描いた作品。
精神疾患を抱えた当人のみならず家族も又差別や偏見の対象となり、それは社会的な障害(生きにくさ)へと繋がっていく。
が、自分が恋人の立場だったら同じ決断を出来ただろうか?
『硝煙心中』水沢和彦
(ナック情報 1971.12)
この作品は本当にひどい。
意味もなく男女が道行く車を狙撃し、セックスし、撃たれて死ぬ。
最後まで何も分からない。
一体何が言いたいのか?
多分何も言いたくないのだ。
だからこそ素晴らしい。
こういう作品を俺は後世に伝えていきたいと思う。