「怨念の幽谷」岡内俊夫
(アパッチ 1970.10 日本文華社)
あまり情報がない作家だけど兎月でも何本か作品を残しており、キャリアは古いようだ
本作は過疎の村を舞台とした怪奇ムードに溢れた佳作で、もっとこういう作品を読みたいのだが、、
75年の雑誌「新評」における挿絵の仕事以降の消息は不明
池川伸治先生について話していて思ったんだけど、先生の作品に対する姿勢と断筆の経緯は当時の学生運動と相通じる物があるように感じたなぁ。
漫画を取り囲む世間や業界に対しての憤りやそれを変えていこうと太陽プロを立ち上げ、でも変わらない現実。。
最早描く意味を見出せなくなったのだろうな。
岩浪成芳と野間吐史の私家本
「好きな作家の単行本が出ないなら自分で作ればええんや!」という
DIY精神はパンクにも通ずる
かつ散逸しがちな雑誌の読み切り作品もこうしてまとめる事で後に残り易くなるという利点も
NDLは私家本も納本の対象となっているが、こういった本は権利的に難しいのだろうか
こちらのインタビューと併せて近代麻雀2013年の7/1、7/15日号に掲載された紅林直先生(実際に◯◯の船に乗船経験有りとの事)の「天使の船」を一読されると更に味わい深さが増すのでお勧めします! https://t.co/0tgosq3mPz
こちらのツイートにはセンシティブな表現が含まれている可能性があります。
収録作品の一部
これだけでただならぬ雰囲気を感じてもらえるだろうか?
自分で言うのも何だが大変なものを作ってしまった気がする
『資料・反合法出版物 噫」
(1973 書肆山谷)
内田栄一氏のアナーキズムが暴走し、左右全方位に喧嘩を売った結果として連載は打ち切り。
これはその闘争の記録である。
今日に至るまで所謂菊タブーにまつわる表現は多々あれど、これは恐らく最大級であり未来永劫復刻はないと心の底から断言出来る。
こちらで引用されている風忍先生の「緑のおばさんが怖い」を簡単に説明すると、「信号は左右をよく見て渡りましょう」というメッセージをもの凄く壮大なスケールで伝えてくれる漫画です! https://t.co/FbToLpgKh4
堕胎を題材にした作品と言えば諸星大二郎の「現代間引考」が思い浮かぶが、いばら美喜作品においてはそこに一切の感傷は存在せず人間はただの肉塊にしか過ぎぬ事を我々は突き付けられる。
うまく表現出来ないがいばら先生には単なる諦念に留まらない「生に対しての不信感」がある様に思えてならない。