「冬の偶有的神秘エトセトラ」は少年コースケと公園橋にいる少女の幽霊と繰り広げるおしゃべりコメディですね。コメディって、自分でいうのなんでか恥ずかしいな。でもしょうがない。誰からも訊かれてないけど「偶有的神秘」は英語だと「アクシデンタリ・ミステリ」です。
「リングワンデルング」。友人も恋人もいないつかさは、山のなかのお屋敷で住みこみ家政婦として働いている。屋敷にはお嬢様がひとりいるだけだが、ある夜若い男の姿を見かける――。クローズド・サークル(←大好物)でいったいなにがあったのか。つかさの、目の下のクマがいいですよね。
森環さん「6月の手紙」は、招待の手紙を受け取った女性が友人の男性を訪ねる――という「ミッション」のお話。淡い詩のような絵のなか、一瞬女性が目を丸くするんですけど、その目がめちゃくちゃ好き。これも男女の友情がなんの留保もなく表現されていて、その「当たり前さ」も居心地がいいんです。
「ムルの顔」。新婚カップルはボルネオ島の洞窟めぐりをしている。そんななか夫の姿が消えて、戻ってきた夫は――。洞窟もジャングルも、描いててしんどかった(笑)。「ここだけはちゃんと描かねば…!」の連続で、けっきょく全部ちゃんと描く、ということのような気がする。マンガは。
David Marchettiさんのマンガ、奇怪で良いな…。
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(つづき)
10月 彼女のリアリティが輝く(片岡義男CS)
11月 夏の夜のけものfeat.けもの(けものたべる)
12月 村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」(単行本・河出書房新社)
以上かな。ずっと描いていたんだけど、発表は後半に集中していたのでなんとなくほっとしたという気持ちが大きい。
いま見たら拙著『祈りと署名』『夜よる傍に』『耳は忘れない』『カフカの「城」他三篇』はAmazon在庫ゼロですね。もうないのかな。たぶん重版はかからないと思います。『カフカ』以外は電子書籍があるので、そちらでもどうぞ。
それでもって女の子がカタコトなのはふたりで英語を使って会話してるため。舞台はヴェネツィアなので、彼女の母語はイタリア語。
ランバーロール05、僕は「有紀と有紀」という顔にもうひとつ顔のある女性の話を描いてます。
11月20日(日)文フリ第二展示場Eホール(え51〜52)先行販売①
11月27日(日)コミティア1F西2ホール(Q05b)先行販売②
11月30日(水)発売日
12月3日(土)刊行イベント@青山ブックセンター https://t.co/3BNNNZX7NQ