あぶさんが引退したのは96巻(2010年刊)だがこの後も連載は2013年まで4年間、単行本11巻分続く。景浦は当初はフリー、2010年途中からホークスの二軍と一軍の助監督を歴任。物干し竿の後継者風太郎や打者転向した景虎、苦労人の宮坂らオリジナル選手のエピソードが増え以前とは雰囲気が変わっている。
あぶさんの引退前後で残念なのは景浦の恩師・野村克也(当時楽天監督でCSでホークスを破る)が一切登場しないこと。不自然だがこれは当時水島新司が野村側(おそらくサッチー)から本人のイメージと異なるキャラクターが形成されマイナスである、として野村を使うことを禁止されたためだ。(週刊文春の記事)
野村克也は当時楽天の監督として『あぶさん』の他「ドカベン スーパースターズ編』に登場しており後者では真田一球を重用し山田の前に立ち塞がるがあまり問題があるとは思えない。むしろ杉浦忠を慕んで広瀬穴吹田淵らと大虎で呑む話はノムさんらしくないんだけどこれは2001年の話で結構前なんだよね。
最初の映画は完成度高いんだけどここがなかった(割愛せざるを得ないのはわかるが)のは正直ガッカリしたんだよなー。多分漫画から入った人は皆そうだと思うが。
#漫画の名シーン
『それでも町は廻っている』9巻はほぼ全部が傑作エピソードだが出色はこれ。
「11人いる!」
#漫画の名シーン
『まことちゃん』第6巻『危機一髪の巻』。らん丸や鈴香もも代などの強烈なキャラクターが居並ぶ序盤の中でもこの生真面目で下品なことが大嫌いなオシッコのお姉ちゃんは作中で一番好きなキャラクターかもしれない。
#漫画の名シーン
『あばしり一家』はギャグ、バイオレンス、SF、エロ、グロ、シュールとバラエティに富んだ連作で永井豪がどんな作家なのかがよくわかるという意味で もっと評価されるべき。大傑作『菊の助の幻想編』での駄エ門と法印大子のやりとりは『手天童子』の親子の情愛を想起させる名場面。
#漫画の名シーン
『あばしり一家』『喧嘩祭りの巻』では親が喧嘩祭りの戦いで負けた子どもの天ぷらを美味しく頂いてしまうナンセンスなカニバリズム描写が炸裂。モラルをぶち壊すギャグは今では多分アウト。菊の助が「おいちー」と食べた後で吐き出したのは・・・みたいな細かいギャグもある。
#漫画の名シーン
『マカロニほうれん荘』は一世風靡したギャグの先進性ばかり注目されるけど今読むと「性悪美少女萌え」の先見性も見逃せない。善人揃いの女性陣の中で中嶋敦子・麻美姉妹のそうじ君を落とすための悪辣な色仕掛けの手練手管と届かぬ恋情の悲しみは今読んでも異彩を放っている。
#漫画の名シーン
漫画の名シーン、しりあがり寿の『他所へ・・・』(『夜明ケ』収録)。僅か8ページながら漫画史に残る名作短編。
ナンセンスと深い愛の悲しみが同居する奇跡の切ない珠玉作。多くの人に読んでほしい。
#漫画の名シーン
「ばるぼら」(分厚い角川文庫新版)を久しぶりの読んで忘れていたのが筒井康隆ならぬ筒井隆康の登場。美倉の気の置けない友人で結婚式に参加するなど出番も多い。「小松左京がこのことを知れば日本を沈没させなかったかも」と発言するなどいかにも筒井康隆で似顔絵も当時の二枚目のイメージ。
「都会のゴジラと田舎のゴジラ」とか「ゴジラのいとこ」くらいの邦題が適切かもしれない。それにしてもゴジラの彼女のインパクトは大。