初期『フラミンゴ』でお馴染み(要は誰も知らない)緒図乃真朋の単行本。忘れられたマイナー作家で絵も古いが、少女漫画チックな絵柄(今だと「みなすきぽぷり」先生を彷彿させる)で大胆なエロマンガを描くというのは大変面白い試みだと思う。元はパロディだったのが「実用化」するようになった頃。
個人的に白眉だと思ったのがこのページ(『コンプレックスは~と』)で少女マンガ的な要素が全て詰め込まれてる。まず男性目線ではなく少女目線が前提にあり、そこに思春期少女のモノローグ調、近所の幼馴染みの青年、崩したギャグ顔とコテコテな要素が勢揃い。
半世紀前のジャンプに載った『ハレンチ学園』のこの回は少女写真集『12歳の神話』(1969年)の受容を考える上で興味深いと思う。ポルノとしての性的消費というより「物珍しいから売れる」程度の牧歌的価値観でアユちゃん脱がして児童ポルノ作ろうとするヒゲゴジラ。ある意味、平和で野蛮な時代だった。