虚無や厭世、破壊的なバイオレンスギャグ、表現の極限まで行き着いた先に咲く花。前半のダメおやじは、等身大の人間の惨めさやおかしさ、そして、ちょっとした希望を描き切った作品。のちのペーソス蘊蓄路線に移行する部分もそうだが、不世出のヒューマンドラマだと思っている。
日本漫画界に確信犯的な「萌え」が登場したのが70年代後半の1年余り、この時期は萌えのインフレーション期で、吾妻ひでおの黒本を起爆剤とし、エロ劇画がエロコメに突然変異した。同時期の第1次ロリコンブーム然り、これら美少女ブームには気づき・発見に近い物を感じる(つまり元々潜在していた)
『僕といっしょ』は『稲中』〜『ヒミズ』の真ん中に位置する過渡期の古谷作品で、人間の闇といったヘヴィな要素を稲中的ハイテンションギャグに内包した(様に見せかける高度な技術を用いた)不思議な作品で、クスッと、時にはゲタゲタ声を出して笑い、読後ぽつんと寂しくなる、叙情派ギャグ漫画でした
這いまわる恐怖、GAGS!15、GAGS!20/被縛社 https://t.co/RCl6JzfW7m #DLsite
牧村みき氏の同人誌の一部はDLsiteで購入できます。過去の作品だと思いますが、吾妻ひでお『ちびママちゃん』のやよいまで緊縛してたのは驚いた(数年前に見かけたまま忘れてた)。
吾妻ひでおの描くリアルな女性像は、例えばつげ作品の「リアリズム調に描かれた醜悪な女性や老女」(おかっぱ頭の幻想的な少女とは対照的な生々しい存在としてのそれ)とよく似ている。もっとも『夜の魚』は、つげ的な「個人の心証風景」の体裁を取りつつ「時代性」をも反映していることに価値がある。
白夜書房 漫画ブリッコ 1983年6月号
岡崎京子の商業デビュー作ほか
中森明夫「『おたく』の研究」収録
備考:おたく(オタク)という言葉の初出
まあ5冊も落とせたから良いや。特に川本耕次編集最終号の『少女アリス』が落とせてよかった。川本が退職したため軒なみ最終回。関係ないが寺山久美が好き!
『快楽天』は地味子が多い。読者にしてもリアリティのある設定なのだろう。秘められたエロスは淫猥なのだ。その先鞭をつけたのは、おそらく2010年5月号「図書館の地味子さん」(ReDrop) だろう。タイトルに「地味子」と付けた最初期の作品で、献身的な地味子さんが、とても愛おしく描かれている名作だ。