劇場アニメは、原作にないラブとアクションが追加され、必要な説明が省かれ、ぽんぽんシーンが飛ぶ。原作漫画のほうが絶対おもしろい!
・・・なんだけど、劇場アニメも捨てがたい。劇場アニメを見たら、あわせて原作も読んでほしいぜ。
『エマ』は衝撃だった。
19世紀末英国を舞台にした、メイドとジェントリの恋物語。なんとなく知ってるが、よくわかってない世界に、しっかり触れるような体験。建物や道具のリアリティ。精緻に描き込まれた毛先や服の皺。信念を感じるストーリーテリング。森薫のあとがきも素晴らしい。圧倒された。
◆ゆっくり急展開
終盤の流れは独特だ。なんでもない日常がていねいに、執拗に描かれるが、主要人物の内面は語られなくなる。読者はウィリアムやエマに没入できず、部外者(ターシャ)の視点で、成り行きを見守ることになる。はじめて読んだときは「不親切」と思ったが、いまは愉しめる。
「同族殺し」で、ぱっと思いつくキャラクターを挙げてみた。けっこう多い。そうそう、キカイダーもロボット同士の殺し合いだった。こうした作品に触れてると、「WOBBIT」の可能性に反応しちゃうな。
もう少し「闘技場」の話。
翻案作品として有名なのは、藤子・F・不二雄「ひとりぼっちの宇宙戦争」(1975)であろう。
主人公の少年は人類代表として、自分と同じ能力を持った機械と決闘することに。闘技場は、時間が静止した街。誰も知らないところで、人類の命運が決まる。要素の組み換えが絶妙。
同じような話が漫画『攻殻機動隊』にもあった。
サイボーグ技術によって超精密射撃が珍しくなくなった未来では、「絶対確実に殺せる距離まで接敵する能力」が問われる。
その瞬間、その場所にいて、その機材をもっていること。
(オレでなきゃ見逃しちゃうネタ)
映画「ファイト・クラブ」にはサブリミナルカットがあって、嘘字幕にも残してある。ラスト、石けんが出てくる直前の、3フレーム。そこにあると知っていれば気づく。0.25倍速で表示できる。
「大鴉」は、もっと踏み込むべきだった。有名な詩だから、みんな知ってる/調べてる/読み解きしてる前提で作ってしまった。とはいえ、私程度の知識で解説は無理。ツイートしたような、読み解きをやればよかったか。うむむ。
やりすぎか、やらなすぎか、うまくいかない。