四季賞2021春 四季大賞」受賞のほそやゆきの先生『あさがくる』。
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主人公の朝顔が宝塚の入学試験に落ちるシーンから始まる作品。
捧げてきた時間の分だけ心に大きな穴の空いた朝顔と、かつての朝顔とと同じく宝塚を目指すくるみの関係がとても素敵です。
深海紺先生『春とみどり』の主人公みどりにも、記憶に焼き付いているつぐみという大切な存在がいます。
社会人として働きながら学生時代のつぐみとの思い出と共に日々を過ごすみどりですが、ある日つぐみの訃報がもたらされます。
葬儀に訪れたみどりが出会ったのはつぐみそっくりの一人娘・ハル。
松崎夏未先生『わたしのファム・ファタール』。
女性から女性に向けられる好意、庇護欲、執着の入り交じった感情の描き方が素晴らしく、最後にそれら全てが大きな存在感の前に押し流されていく描写が素敵。
『ララバイ・フォー・ガール』もそうでしたが松原先生の描く一言で言い表せない感情が素敵。
共に大学の建築学部に通う町田かよ(メガネ、まじめ)と多摩めぐみ(ギャル)の同棲百合。
1巻発売中の高尾じんぐ先生『間取りはどれにする?』最新話の1シーン。
学友に
「彼氏と同棲してるんだよね?」
と聞かれてかよを思い浮かべるめぐみの笑顔が素敵でした。
薔薇をモチーフにした作品が内包する二面性について述べてきましたが、『さよならローズガーデン』にも対照的なモチーフが沢山出てきており。
たとえば作中で出てくる二つの場所。
郊外を思わせるローズバロウハウスとロンドンの繁華街。
元ゲーム会社勤務の無職社会人・ちよと大家の少女がおりなす同居百合。
宮原都先生『一度だけでも、後悔してます。』最新話。
風邪をひいたちよを大家さんが看病する回でしたが、熱によって無防備になったちよの表情に普段は大人びている大屋さんが頬を赤らめる描写がとても素敵でした。
体だけでは心は通じ合わず、触れたところから全てが流れ込んでしまえばいいというジレンマを抱えながらも
「セックスにそんな力はないことを知っている」
女の子たちがなんとか"心"を繋ぎたいという、肉体描写があるからこそ描ける心の描写に溢れていてとても感動してしまいます。
冨明仁先生『ストラヴァガンツァ-異彩の姫-』で描かれるヒビアン王女とルバの関係が好きです。
他種族の侵攻を食い止め荒廃した祖国ミテラを復興するという使命に立ち向かうヒビアン王女と、誰よりも近くで彼女を支えていたルバ。
戦乱が治まった後、結婚を決めたルバの最後の出仕シーンが美しい。
百合的には主人公の七菜とMAKOTOの気になるところ。
ネストビールの知識も豊富でお酒(特に飲み屋)が百合好きなさんにはぜひ読んで欲しい作品です。