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「稽古を始めてふた月目に、遠乗りに行ったら、道で先生に出くわした。困って横丁へ逃げ込んだが、次に稽古へ行くと小言を言われた。
『まだ鞍にも座ったことがないだろう。今後は決して遠乗りはするな』
と言いおったから、今度は大久保勘次郎という先生に弟子入りした。」
#はやおき訳
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「親父が家中の者を集めて、百物語をしろと言い出した。屋敷の隣にある原に化け物人形をこしらえておいて、夜、皆が一人ずつ行って、その化け物の袖に名札を結びつけて帰ってくるという趣向だ。皆怖がっていておかしかった。」
#はやおき訳
勝小吉36歳夏。実家の男谷家へ呼び出され、檻に入るか改心するかを迫られます。
マンガ『夢酔独言』九十九話(1/4)
#漫画が読めるハッシュタグ
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「ようやく、翌年の夏頃に全快した。
それから本所を訪ねてみたが、おれが貸した道具も金も、四十両分はあったと思うが、誰も返さなくなってしまった。
おれは何も知らずに不意に虎の門に来たから、アテになるものもない。今は貧乏して困るが、仕方がないとようやく諦めた。」
#夢酔独言
勝小吉(夢酔)38歳。地主岡野家の騒動に介入し、339両(+諸々経費)を用立てることになった小吉。摂州にある岡野家の知行所へ向かい、そこで金を受け取る計画を立てますが…。
マンガ『夢酔独言』百十二話(1/4)
#漫画が読めるハッシュタグ
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「すぐに刀剣道具の売買を再開した。その月の末には、蔵宿の番頭で又兵衛というのから預かった備前の助包の刀を松平伯耆守に売って、十一両儲けた。又兵衛からも、鰻代として別に五両くれた。」
それから毎晩、江戸神田近辺や本所の道具市へ出ては儲けたから、だんだん金も貯まってきた。」