佐藤まさあき「山にこんにちは」(佐藤プロ/1966年頃)
男教師が、男女交際を恥とする農村の因習を打破すべく、男女合体の登山計画を企てる内容
青春ものだが、男女交際に対する、佐藤先生の執拗なまでの考えに貫かれており、なかなかディープ
貸本で「セックス」という単語が使われるのを初めて見た
武内つなよし「青年赤胴鈴之助 赤い恐怖」
正義の味方はキチガイを相手にする事が多いが、この作品は一味違う
赤い腰巻を見ると、逆上し、相手を惨殺するも、その間の記憶が全くない
その為、鈴之助はラストまで適切な判断ができないまま
真の「狂気」の前では、正義の味方は脆いものなのかもしれない
同雑誌に掲載の一峰大二「7月1日の夕陽」
ミサイル落下まであと4時間。大混乱の中、度重なる失敗に自信をなくしていた青年医師は、浮浪児の命を救う為、困難な手術に挑む…という内容
心にしみ入る、激渋な傑作
グロい心臓手術(カラー)や凄惨なパニック描写はかなりのトラウマ度だが、これは泣ける!!
中島利行「お正月がほしい!」
ヒロインの父親は、三井三池炭鉱爆発事故に巻き込まれ、CO中毒により、脳に障害を負う。久しぶりに父親が病院から家に戻ってくるのだが…という内容
たった十数ページの短編なのに、恐ろしくヘビー
ラストも救いがないが、現実はもっともっと悲惨だったんでしょうね…
(エロ&ネタばれ注意!!)
つのだじろう先生は、黒田みのる先生と同じく「オカルト meets エロ」な作品を多く描いている
「蓮華伝説」が一番有名だが、色男の霊能者が活躍する「夜咲く蓮」も負けていない
「華旅行」のエピソードでは、ミイラの色情霊をペ※スを挿入して除霊しており、イッチャッテます
私の偏愛する、いなば哲先生
長いキャリアの持ち主で作画や物語は勿論優れているが、加えて、扱うテーマの「センスの妙」が抜群
まさか時代劇に「バーベキュー」を持ち込むなんて、思いもよらなんだ
この作品は「焼き肉料理の怪」を描いた最初のBBQホラーなのかも(これが最初で最後かもしれないけど)
バレエ漫画はピンキリだが、古賀新一先生も描いていた!!
古賀しんさく・名義「灰色のバレエ」(「黒真珠③」(つばめ出版)収録)
貧血だけどバレリーナのヒロインが、継母に命を狙われる内容
努力家の古賀先生らしく、バレエの描写もキマってます
でも、悪魔のいる前で、わざわざポーズをとらんでも…
故・中岡俊哉先生は実に様々な所に顔を出しているが、「土曜漫画」との邂逅はこれだけかもしれない
中岡俊哉・作/中里龍・画「番長皿屋敷異聞」(1972年「増刊土曜漫画 未来劇画特集」掲載)
この作品では、菊は殿と愛人関係にあり、殿が結婚する為、口封じに家宝の皿を割った冤罪を着せられ(続く)
巴里夫先生は恐らく、怪奇やスリラー漫画とは一生縁がなかったように思う(描いていたら、是非読みたい!)
ただし、貸本漫画の一編「春のデザイン」(「風車No16」収録)には、悪夢のシーンがあり、「服のおばけ」が出てくる
これが、怖いとか以前に、摩訶不思議な描写で、やはりベテランは違うね!
横山まさみち「屠殺者」
食肉生体検査所に逃亡中のライフル男が押し入る。緊張の中、「ソクラテス」と綽名される、ウスノロの屠殺係は逃亡犯に、蟻の世界と人間の世界の差異について滾々と説き始める…という内容
不思議な味わいのあるサスペンスで、結末がわかりやすければ、佳作になったのになあ…
(エログロ注意!!)
清水おさむ先生「淫乱看護婦 悪徳の堕天使」
看護婦の美痴子は死姦に夢中になる。その為に、彼女は患者を次々と殺すのだが…という内容
アナーキー過ぎるストーリーに絶句!!
ヒロインが涎を垂らしまくりなのも素晴らしい!!
清水おさむ先生のエロ漫画、まとめて復刻されないものか…