全ての戦いが終わった後、ズム・シティに一筋の光。防衛大隊が気象システムを利用したために生じた、一種のバグなんだろうけど…
戦争が終わり、ジオン公国、人々が変化する。そうした「生命の光」、アムロがア・バオア・クーや、後にアクシズで見ることになる「それ」と同じなんじゃないかな
そうした中で、「事件の真相」「ジオン公国の正体」に近づくレオは、誰の味方をするのか?
その指針となるのが、彼がかつて地球に降りた時に感じた生命の息吹であり…それと同質であろう、コロニーの人たちの生であった
【ギレン暗殺計画】最後まで読んだ。
後半は、ザビ家の圧政を打ち倒さんとする都市防衛大隊と、その計画を利用し「ある人物」の逮捕を目論むギレン親衛隊の戦いに。
ザビ家のそれとは異なり、ジオン・ダイクンの遺志に沿って発せられる「ジーク・ジオン」。しかし、それが結局は戦いの火蓋だという皮肉
オペラ観劇のくだり、一番テンションあがったかも。一年戦争の激化した1ヶ月程度で、激しく上下する権力者たちのパワーバランス。それは、公国の不安定さを物語る。
(後にはラル家とか、シーンは違うけどマハラジャ・カーンも出てくる)
もちろん、いたずらにそれらを登場させるのではなく、「ジオン、ザビ家の敗因」へと見事に繋げていくので、読んでる方は気が抜けない。どれも局地的な敗戦や失敗ではなく、終戦の遠因になっていくのだ。
バーニィ…お前がやったことも、無駄じゃなかったんだよ…(グラナダが機能不全)
うん、まあ、「ギレンとキシリアがクッソ仲悪かった」が一番の理由だとは思うが…
彼らを取り巻く政局や環境が、それを複雑で深いものに仕立て上げていく。
(トワニングの、「ぜってえコイツやらかすわ」という反応…)
当然我々は「ギレンの最期」を知ってるわけで、「ifストーリーでした」なんてオチがない限り、暗殺なんてならないわけだが…
むしろこの作品の目的は、この終戦間近の時期の、ジオン本国の政治的混乱を描き、その「負けた理由」をより鮮明に解き明かすことだろう
単行本一冊だから…と先に読んだけど、ギレン暗殺計画→本作→ジョニー・ライデンの帰還と読んでいくと、各作品のリンクも広がっていくのかな。噂のキマイラ隊も出てきた。
次はギレン暗殺計画を読もう
ギレン・ザビ誅殺とか、ホワイトベース轟沈とか。アニメとしても歴史としても重要な出来事が、あくまで傍観者目線で、しかし感情を込めて語られる。
この辺りの演出が実に巧みで、ドキュメンタリー映画みたいなのよね