明治44年2月4日付『都新聞』、前年11月に開南丸で出発した白瀬南極探検隊からの上陸を知らせる電報、という体を装った広告だった。「レート」ブランドを擁する平尾賛平商店のクリームの宣伝で、使えば顔や手が荒れず肌理が細かくなり美しい肌となる、「寒いときはクレームレートに限る」と結んでいる。
明治時代の体重計事情が気になり始めると、こうした広告が急に面白く見えてきた。立派な体格を目指そうというメッセージが力士や肥えた中年男性のイラストからも伝わる「次亜燐」がここでは体重計を使っている。測定単位が「磅」、すなわちポンドなのが殊のほか興味深い。明治44年2月23日付『都新聞』
明治の東京で筋肉芸を披露するニュージーランドの青年がいた!「怪力家エヴヰリン」24歳、肩まわりや背中の筋肉が尋常ではない。数々の筋肉パフォーマンスの中でも就中「身体全部の筋肉を音楽に合せて意の如くに働かす」という「筋肉操縦」が記者氏を驚かせている。明治43年12月12日・13日付『都新聞』
明治43年頃にはブルドッグを輸入して飼う家もあった。同12月8日付『都新聞』。記事が言及する「曽て本邦有数の名犬と称せられたる古川高田両家の愛犬」も有名犬だったようだ。例えば『牧畜雑誌』307号掲載の卯木庵「家畜病院」は「都下の各新聞に十万円の犬として写真まで載せられた」と紹介している。
明治43年8月4日付『神戸新聞』、「音なしい上品な、乗心地の快い」ゴム輪の人力車の登場により、旧来型の人力車は車も車夫も利用する客も肩身が狭くなった様子を戯画化している。
明治43年7月31日付『神戸新聞』、夏場の水不足で節水が呼びかけられる一方で、噴水などにドンドン使い贅を極める奴がいるという批判は神戸に限らず各地で見られる。#噴水史