この人体への睾丸エキス注射、日本でも九州大学などでで実験が行われ、結果はまちまちですが、精力増強や回春効果が得られたという報告もなされたそうです。 やはり、犬の睾丸をすりつぶして注射したのでしょうか？ 明日に続きます

日本橋吉野寿司三代目の吉野昇雄「すしの事典」によると ”大正七、八年頃、京橋(現在の中央区京橋、第一相互館横)に、幸寿司という自他ともに東京随一を誇ったすし屋があった。” ”値段もけっして安くはなかった”そうです。

最後の京橋エリアです（こうしてみると京橋も新橋も「橋」であったことがわかります）。 ここはアメリカ飲食店集中エリアで、明治製菓喫茶部、三共ソーダファウンテン、オリンピック、バッカスがそれにあたります。 なぜか描かれていませんが、アメリカ式中華のアスターもこの区画です。

ところが外務省外交史料館に残る文書によると、七代目濱口儀兵衛は渡米する前からウスターソースの存在を知っていました。 在倫敦総領事館事務代理有吉明発、小村寿太郎外務大臣宛文書「欧州ニ於ケル日本醤油ノ商況在倫敦総領事ヨリ報告ノ件」

”細くなった弁髪を短くうしろに垂れた肥ったおやじが、悠然と大薬罐をさげて近づき、何食うかと尋ねながら、（中略）ラウメンと新コがいうと首肯いて向うへ走り、イイコラウメンとか節をつけて発注してくれます”

大正１１年に出版された「若返り法と男女両性の人工的変化」によると、フランスの生理学者ブロウン・セカールが、犬の睾丸をすりつぶして食塩水で薄めたものを自身に注射したところ、回春効果が得られたといいます。

明治７年の「東京新繁昌記」（服部誠一）の烹籠（にこみ）は”竹串にて肉を貫き、これを大鍋に投ず、火常に活し、肉常に沸く、一串値文二孔なり”とあります。

”寄席の下足場には、めいめいの下駄の上に提灯が懸けてあった。そこで、閉場になると、場内の客が一度にどやどやと出て来る。それに対して、提灯の火を一々に点けて渡すのであるから、下足番は非常に忙しい。”

”かつて濃厚なリアリティとして存在していた都市下層のファストフードとしての屋台のありようは、しかし、一九二〇－三〇年代(昭和初期)から次第に影が薄くなっていく。”

そして、この手の屋台フランチャイズビジネスは、大正時代から存在していました。 大正１４年の現代職業案内（東京職業研究会 編）には、次のように書かれています。

北上してつぎの区画。 東側に森永キャンデーストアがありますが、これもアメリカ視察から生まれた店。不二家キャンデーストアはその模倣でしょう。 右上（北西）の区画にニューヨークバーがありますが、その右がカフェータイガーが経営していたアメリカ式中華料理屋です。

この図は守貞漫稿による、江戸時代の京都大坂の押し寿司。卵焼きにキクラゲ、鯛かアワビをのせたものです。 このやや単調な寿司が、様々な具の押し寿司を複数詰め合わせる大阪寿司に変わります。 複数の具を少しずつ食べる、というあたりに、握り寿司の影響を見ます。