しのざき守「必殺艇」(「戦争⑤」(あかしや書房)収録)
島尾敏雄の小説で有名な「震洋」(爆薬を装備した特攻ボート)が扱われ、珍しいと思う
作中では、上官が部下に「生命は大切にしろよ」と言うが、実際はどうなのだろうか?
史実通り、震洋は大した成果をあげず、主人公は特攻して死亡
空しい…
この下りを読むと、どんな時でも無性に元気が出てくる
グルメなんてク※喰らえ!!
雑食、最強!!
(山上たつひこ先生「ええじゃない課⑤」(少年チャンピオン・コミックス)収録の「お好み焼きにはうるさいぜ!の巻」より引用
「ええじゃない課」は隠れた名作!!
「ミスター真ちゃん」は、かなりヤバい)
田舎では今、筍が旬(親父が暇にあかして、山で大量に掘って来た)
んで、筍と言えば、個人的には、黒田みのる先生
何故かは知らねど、筍が人や動物に突き刺さる怪奇マンガを描いておられる
他にもあったら、また報告したいと思います
(二番目の画像から順に「竹の家」「たけのこ」「たけのこ時間」)
脱線ついでに、「運命線は血みどろの蛇」では、救急車のサイレン音が「ピコピコ」になっている
あくまで個人的な印象でしかないが、好美のぼる先生は擬音語や擬態語を、その場その場のフィーリングで決めていたのではないだろうか?
その自由過ぎる感性に、手描きの文字が相まって、非常に味わい深い
「傘でこめかみを突かれ失明」のニュースを見て、藤崎晶子先生「影踏み」(1998年「大恐怖4月号」)を思い出した
女の子が、前にいた女性の傘で眼を突かれ死亡する。母親は犯人を捜すものの、世間の無関心を前に心を病んでいく…という物語
非常にイヤな話で、読み返したことを今、猛烈に後悔している
望月みさお「のろわれた女医」に、「秘密を知られて自殺」の見出しがあって、笑ってしまった
いくらなんでも、ネタばれし過ぎだろ!
大抵のスリラーでは、秘密を知った相手を、口封じに殺そうとするものだが、この妙な所で薄味な展開もまた、望月みさお先生の魅力かもしれない(テキト~言ってます)
この絵から連想したのが、咲花洋一「死を招く姥鬼山」(「銃口②」(中村書店/150円))
祟りの噂のある姥鬼山の秘密を、記者の兄弟が解き明かすという内容
下手ではないが、アクの強い絵柄で、探偵ものというより、伝奇ものといった風情
とりあえず、姥鬼山は強面の割に、どこか愛敬があってステキ
偶然に入手した、ひばり書房黒枠単行本の案内広告
「恐い恐い恐い 超怪奇劇画」や「恐怖のフィ~リング」等の煽り文句が味わい深い
これ以外にも案内広告は存在するのだろうか?
もしも、高園寺司先生や矢乃藤かちすけ先生の作品が載っている案内広告があるとしたなら、裏面の紹介が非常に気になる
この雑誌には、三条友美先生のデビュー作「少女の季節」が再録されております
初出は「漫画大快楽」1979年10月号(くだん書房さんの神保町裏通り日記2010年5月8日を参照いたしました)
三条先生のエロ漫画はあまり読んではおりませんが、デビュー作から「屈折した恍惚」を描いていて、流石!!と思います
「血は冷たく流れる」収録の「野牛のさすらう国にて」は、永井豪先生の漫画化(「週刊少年マガジン」1971年1月24日・31日号)がある
約30ページの程よくまとまった短編で、当時の読者に強烈な印象をもたらした模様
原作も文明批判の入ったSF短編の佳作なので、気になった方は読み比べてみたら如何?
杉浦茂「慶安異聞」(「増刊ヤングコミック」1979年2月20日号)
忍者ものだが、代表作「猿飛佐助」が脳梅毒に侵されたような感じで、ここまでやったらフリークス趣味としか言いようがない
でも、どこまでも無邪気で、独特な芸術センスがビンビン伝わってくる
「漫画芸術」として再評価されるべきでは?